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青柳 和平; Chen, Y.*; 石井 英一; 櫻井 彰孝; 宮良 信勝; 石田 毅*
JAEA-Research 2019-011, 50 Pages, 2020/03
本研究では、坑道掘削により周辺岩盤に形成された掘削損傷領域の割れ目の可視化を行うことを目的とした。幌延深地層研究センターの地下350mに掘削した直径4mの試験坑道を対象として、紫外線照射により発光する蛍光剤を添加した樹脂を坑道周辺の岩盤に注入し、掘削損傷領域の割れ目を固定した。これにより、割れ目を可視化して観察することに成功した。注入孔周辺で試料を採取し、紫外線照射下で観察を行い、割れ目の連結性や開口幅を分析した。結果として、割れ目の最大発達範囲は、孔口から約0.9m、すなわち坑道壁面岩盤から約0.75mの範囲であった。また、孔口から0.4mまでの範囲では割れ目密度が高く、0.4m以深では割れ目の間隔が広くなることがわかった。さらに、割れ目の開口幅を測定した結果、孔口から近いほど割れ目の開口幅も大きいことがわかった。特に、孔口から0.3mまでの範囲では、樹脂が浸透した割れ目が多く観察され、開口幅が最大で1.02mmであった。一方、孔口から0.3m以深は、樹脂が浸透した割れ目が少なく、開口幅は最大で0.19mmであった。
青柳 和平; Chen, Y.*; 石井 英一; 櫻井 彰孝; 石田 毅*
Proceedings of 5th ISRM Young Scholars' Symposium on Rock Mechanics and International Symposium on Rock Engineering for Innovative Future (YSRM 2019 and REIF 2019) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2019/12
本研究では、幌延深地層研究センターの350m調査坑道を対象として、坑道掘削時の割れ目の性状を検討することを目的とした。検討に際し、坑道周辺に約1mのボーリング孔を掘削し、低粘性な樹脂を注入し、割れ目を固定した。その後、オーバーコアリング試料を採取し、試料の観察を行った。結果として、坑道掘削により形成されたと推定される割れ目は、壁面から0.8mの範囲まで発達していた。また、割れ目は壁面から0.25mの範囲において連結しあっており、開口幅は最大で約1.0mmであることがわかった。これらの観察結果は、坑道周辺の掘削影響領域の割れ目形成プロセスの理解のための基礎情報として有用であるといえる。
青柳 和平; Chen, Y.*; 櫻井 彰孝; 石井 英一; 石田 毅*
JAEA-Research 2017-014, 49 Pages, 2018/01
本研究では、坑道掘削により周辺岩盤に形成された掘削損傷領域の割れ目の三次元的な可視化を行うことを目的として、幌延深地層研究センターの地下350mの調査坑道を対象として、樹脂を坑道周辺の岩盤に注入し、掘削損傷領域の割れ目を固定し、紫外線照射下の観察により割れ目の連結性や開口幅の検討を行った。原位置における樹脂の注入に際しては、粘性が低く紫外線照射によって発光する樹脂を開発して坑道周辺岩盤へ圧入した。その結果、割れ目の状態を乱すことなく、坑道周辺に形成された割れ目へ樹脂を浸透させ、固定させることに成功した。さらに、割れ目への固定の後に、注入孔周辺をオーバーコアリングし、孔壁面及び得られたコア表面を紫外線照射下で観察した。観察の結果、割れ目は孔口から約0.9mの範囲まで発達していた。また、孔口から約0.3mまでは、複数本の割れ目が交差しており、開口幅は1-2mm程度であったのに対し、孔口から0.3-0.9mに分布する割れ目は単独で存在し、開口幅は1mmよりも小さいことがわかった。一方、ボアホールテレビューア観察では、孔口から0.2mまでの明瞭に開口した割れ目しか検出されていないことから、カメラの分解能の影響で開口幅の小さい割れ目を検出することが難しいため、割れ目の発達の範囲を過小評価する可能性があることがわかった。